

大阪大学 Osaka University
webサイト:大阪大学文学部 哲学・思想文化学専修HP
私の現在の関心:ライプニッツが晩年に提示した「実体的紐帯」という概念への一貫した興味・関心と共に――時には甚だしく遠回りしつつ――これまで研究を続けてきました。この概念は物体論や有機体論、或いは心身関係論と関連付けて論じられる事が少なくないのですが、私自身はそれに加えて「自我」や「人格」、「個体」や「同一性」といった概念とも親近性があるのではないかと考えて研究を行っています。最近では、上記の研究を深める中で中世の個体主義的な思想(ドゥンス・スコトゥスやオッカムなどの哲学)や論理思想・言語思想に興味を抱き、また他方では現代の分析的形而上学の動向にも関心が惹き付けられた事から、双方それぞれに関連する諸文献を――蝸牛の如き歩みではありますが――精読しつつ考察を進めています。
学術論文(最新順):
1.「ライプニッツに於ける〈自己〉の問題――人格的同一性と「非ヒューム的な自己」を巡って――」『フランス哲学・思想研究』第14号、日仏哲学会編、2009年(近刊)
2.「ライプニッツは生涯を通じて唯名論者であったか?」『待兼山論叢』第41号、大阪大学文学会編、2007年
3.「複合実体と「エコー」――〈実体的紐帯〉を巡る一考察」『メタフュシカ』第37号、大阪大学大学院文学研究科哲学講座、2006年
学会・研究会発表(最新順):
1.「‘tag’としての実体的紐帯――ライプニッツの個体論との関連から――」日本哲学会第67回大会、2008年5月18日
2.「ライプニッツにおける記憶と同一性の問題」日仏哲学会2007年度春季大会、2008年3月22日
3.「神と個体の関係について――ライプニッツとクザーヌス――」ライプニッツ研究会第2回大会、2008年3月13日
4.「個体化論に於けるライプニッツ」ライプニッツ研究会第1回大会、2007年3月27日