ライプニッツ

leibnizpl.jpgライプニッツ(1646−1716)は、30年戦争さなかのドイツ・ライプツィッヒの地に生まれました。哲学者、数学者、論理学者、自然学者、法律家、政治家として、幅広い分野で活躍し、各分野で驚異的な発想を示しました。数学における業績としては微積分法の発見(1675)が、自然学においては「力」の概念の再発見が、また、論理学においては普遍記号学の考案が広く知られています。これらの業績は個々に独立したものではないのがライプニッツの特徴です。こうした彼の発想法の特徴は、クロノロジー(年表)を見るとよりいっそう明らかになると思われます。
ライプニッツは、どの年代においても、複数の分野の仕事を同時並行的に行っており、その多産性、多様性は、生涯変わることがありませんでした。このようなことが可能だったのは、一見異質に見える諸思想を並行的に結びつけ、どの分野にも共通する理論として単純化し、理論化するライプニッツの特質と深い関係があると思われます。
さて、興味深いことに、こうした理論化、単純化に中心的役割を果たしたと思われるライプニッツの哲学に関しては、生前公刊された大作としては「弁神論」(1710)しかなく、その全貌は現在もなお明らかになっていません(アカデミー版の全集は現在も刊行中)。彼の哲学の解明はこれからだといえるのです。
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